めまいについて
- 2021年11月25日
- 症状
めまいと一概にいっても、回転性めまい(ぐるぐる)・動揺性めまい(ふわふわ)・意識を失いそうになるめまいなど様々な症状があるとおもわれます。
これらの種類によって、障害されている部位がきまっているといわれていますが、異なることも多いので、症状があったときには受診してください。
1.回転性めまい(ぐるぐる)
見ている景色がグルグルと流れるように動くめまいです。
「回転性めまい」の場合には、主に三半規管(さんはんきかん)が原因の場合が多いです(脳の場合もあり)。
三半規管は、耳の中の内耳というところにあり、平衡感覚を感じる器官です。この中はリンパ液で満たされていて、このリンパ液に異常をおこしてめまいを起こすのが、代表的な病気がメニエール病です。
また、この部分には平衡感覚を感じ取る神経(前庭神経)が走行しており、この神経に炎症を起こす前庭神経炎などが起きても「回転性めまい」が起こります。
また、自律神経の乱れで前庭神経の機能が低下し、回転性めまいが起こる場合もあります。
メニエール病も前庭神経炎も、病院で検査をしても「異常がない」と言われてしまうめまいも、そのほとんどは、自律神経の乱れが原因のめまいになります。
ちなみにメニエール病や前庭神経炎は、めまいと共に耳鳴りが聞こえることがあります。これは、三半規管の近くに蝸牛(かぎゅう)という、音を感知する場所があるため、そちらに障害が広がることでおこります。.
2.動揺性めまい(ふわふわ)
まるで、雲の上を歩いていると表現されるフワフワする感じのめまいです。「動揺性めまい」の原因になる場所は、主に脳幹や小脳の病気が疑われます。
脳幹や小脳のはたらきのひとつに平衡感覚があります。この部分に異常をきたしてフワフワした動揺性めまいが起こります。
更に、小脳の機能の低下でもめまいは発生します。小脳は、平衡感覚だけでなく、姿勢のコントロールなど、体が揺れないようにするために、微妙な動きを調節しています。そのため、小脳の機能が低下すると、転びやすくなったり、ふらつきやすくなったりしてめまいを感じます。
そのため、動揺性めまいをきたした患者様は脳の検査を積極的におこなって、病変の有無を注意深くチェックする必要があります。
3.立ちくらみなどの意識を失いそうになるめまい(立ち眩みなど)
数秒~数分間にわたって、体がふらつく、目の前が真っ白く(もしくは暗く)なる状態を立ちくらみといいます。
<原因病変 >
・起立性低血圧
寝ている状態から座る、座っているから立つなどの姿勢を大きく変えたときに脳血流が急激に下がることでおこります。自律神経には脳血流を一定に保つはたらきがありますが、これが異常をおこすとおこります。原因がはっきりしないものもありますが、脱水・貧血・パーキンソン病・糖尿病・アルコール多飲などが原因になることがあります。
・貧血
貧血とは、血液内の赤血球やヘモグロビンが低下している状態で、その結果必要な酸素や栄養を脳へ充分に供給できなくなります。貧血の症状として立ちくらみのほか、頭の重さ、動悸、息切れ、全身倦怠感などが現れることがあります。
・脱水・熱中症
暑い屋外での長時間作業・運動で起こることが多いですが、高齢者では屋内でもなることがあります。脱水症や熱中症の症状がすすんでしまうと、頭痛・嘔吐・筋肉のけいれん発作・意識障害などが現れることもあります。
・更年期障害
更年期(閉経前後の 5 年間;一般的に 45-55 歳)の症状として、めまいや立ち眩みも挙げられます。
そのほかに、ほてり、のぼせ、発汗、うつ傾向、不安、不眠、情緒不安定、動悸、手足の冷え、肩こりなどさまざまな症状を伴うことがあります。
青葉台脳神経クリニック