物忘れ・認知症コラム♯3|青葉台脳神経クリニック|青葉台駅の脳神経外科・脳神経内科

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医療コラム

物忘れ・認知症コラム♯3|青葉台脳神経クリニック|青葉台駅の脳神経外科・脳神経内科

物忘れ・認知症コラム♯3

セラピストからから見る、抗認知症薬の効果

2023年の6月段階で保険適応されている認知症治療薬(抗認知症薬)は4種類あり、いずれも「症状を完治されるものではなく進行を遅らせるもの」という事は、みなさんもご存じだと思います。ではお薬を飲む事で生活は具体的にどう変わるのでしょうか?

今日はセラピストの視点で、認知症のお薬の効能を解説します。

今、アルツハイマー型認知症のAさん(仮)がいたとします。

Aさんは、身体的には問題はなく身の回りの事は行えますが、ここ最近いろんな事が億劫になり、好きだった植木の手入れや手芸をやめてしまいました。買い物には行きますが、記憶力の低下で同じものを購入する事が増え、家族に指摘をされ自信を失っている状態です。

では、Aさんに抗認知症薬が処方された場合、どのような変化が期待できるのでしょうか。

私たちセラピストが予測するAさんの臨床的効果は①植木の手入れが再開できる ②準備をすれば手芸が再開できるといった意欲や活気の向上です。抗認知症薬は意欲に働きかけてくれる事が多くあります。意欲が上がると物事に取り組めるようになり、取り組めるようになると注意の持続力が向上してきます。

お薬の効果は記憶力だけで判断されがちですが、脳には階層(左図神経心理ピラミッド)があります。意欲や注意は記憶を支える大切な機能です。また、Aさんが好きな事に取り組める事は、満足感や自尊心の回復に繋がり行動を継続する動機付けになります。これは認知症の有効な治療といえます。

Rusk(ニューヨーク大学医療センター)による「神経心理ピラミッド」

認知症のお薬が出たら、まずは「お母さん、少し元気になった?」といった視点で、意欲や活動量を確認してみてください。そして診察では小さな変化でもお話しください。日々の生活をご覧になっているご家族の視点があるからこそ、その方に合ったお薬を検討する事ができます!!

青葉台脳神経クリニック

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